京都堀川を一途に往来 9号系統
9号系統は京都駅から京都市街北部、大宮地区・西賀茂地区を結ぶ路線で、西賀茂営業所(直営)が担当しています。
大宮・西賀茂地区から市街中心部に向かうには、北大路駅まで行って地下鉄に乗り換える経路があるのですが、9号系統なら乗り換えなしで京都駅まで行けるので乗車率は高く、運行本数も多くなっています。京都駅付近から上賀茂付近まで、ずっと堀川通を走り続けます。
9号系統の乗り場はBT内、B1乗り場です。B1乗り場に着線するのは9号系統だけで、まさに専用乗場です。
京都駅を発車したバスは、一旦駅舎側に迂回して塩小路通に出て西進します。すぐに堀川通に突き当たり、右折北上します。目の前の交差点は堀川七条。七条通を渡れば、「西本願寺」です。大きな本堂や門を見ながら進み、北端に特徴のある建物があります。「太鼓楼」と言います。1865年3月、新選組はこの太鼓楼と北集会所を屯所として使っていたそうです。
バスはまもなく五条通に差し掛かりますが、手前左手に石碑が見えます。「左女牛井之跡」、左女牛は醒ヶ井・サメガイと読みます。京の名水が湧き出る井戸として知られていましたが、太平洋戦争時の建物疎開の際に埋められたそうです。
バスは広い堀川通を北上します。京都で堀川通は御池通、五条通とならんで広い道幅の道路です。
これらの広い道路は太平洋戦争時、昭和19年(1944年)7月、空襲による火災延焼対策として実施された建物疎開によるものです。御池通・五条通は道路の南側にある建物を立ち退かせました。この堀川通は堀川の西側を約50mに渡って立ち退きとなったそうです。戦後、道路として整備されたそうです。堀川御池から堀川今出川の間では堀川が流れていますますが、その東側に旧堀川通が残っています。
御池通を越えると左手に、「二条城」が見えてきます。やがて、二条城前バス停に到着します。
現在の二条城は江戸時代に徳川氏により建造されたもので、大政奉還の舞台になったことで有名です。毎日、多くの人が訪れます。
バスは右手に堀川を見ながら北上を続け丸太町通を渡ります。そして、「一条戻り橋」に差し掛かります。一条通は平安京時代は都の北限の通りです。また、平安中期以降、堀川より西側から右京にかけては町が衰退していたので、この橋は都との結界というような意味があったのかもしれません。不思議な伝説が多く語り伝えられています。
その戻り橋を過ぎると、すぐに安倍晴明ゆかりの「晴明神社」です。鳥居の額の中の文様が独特です。
バスは今出川通を越え、北上を続けます。
徐々に前方の京都北山が近づいてきます。北大路堀川交差点の手前左手に、小さな石碑を見ることが出来ます。
昼は役人、夜は閻魔大王に仕えたといわれる「小野篁」。源氏物語の作者として知られる「紫式部」のお墓が交差点手前にあります。
バスは北上を続け、やがて右手に賀茂川が見え、「上賀茂御薗橋」に到着します。
バスは、ここで左折します。少し先の「御薗橋通船岡東」交差点を右折、北上し、「西賀茂の弘法さん」として知られている「神光院」を過ぎ、終着の西賀茂営業所に到着します。
営業係数は「75」(京都市バス全系統平均「92」)。
1日平均旅客数は「11,602人」(京都市バス全系統合計367,698人)。
運行頻度は平日昼間1時間当たり6本。朝7時台は12本です。
料金は均一区域内なので、1乗車230円。
今出川以南は観光需要も旺盛ですが、重要な住民の足として活躍している路線です。
営業係数等のデータは29年度実績です。
運行経路などは2019年10月現在です。